「わかっているの だけど・・・・・・」



叶うなら 叶うのならずっとこのままでいたい

もうすぐやってくる 
あの人たちに あの艦に
あなたを預け あなたの故郷-ほし-に帰してあげる
そうすることが 私の使命
私がしなければならないこと

そして また 静かな時間がやってくる
ひとりきりの静かな時間が

あなたがここからいなくなる

そう 
そんなこと初めからわかっていた
あなたを助けたあの日から
いつか その日がやってくることを

わかっていたわ
 そうよ 覚悟していた

わかっていた・・・・だけど・・・・・

叶うなら ずっとずっとこのままで
 このままずっとこうしていたい
 このまま あなたを離したくない

 ・・・・だけど
 それは 私のわがまま
 そうよ わがままなの

 わかっているわ そんなこと

 あぁ だけど 胸が引き裂かれてしまいそう・・・・!


 もうすぐあなたがいなくなるこの星で
 わたしはどうして生きていくの?
 たったひとりぼっちで どうしたらいいの?

 あなたに出会うまで
 ひとりでどうしていたかなんて
 もう・・・忘れてしまったわ

 だけど・・・・
 滅びゆくこの星に
 あなたを引き止めることなんてできない・・・・・

 かつて 私にも家族がいたように
 きっと あなたにもあなたを待っている人たちがいるはず

 そうよ・・・・・・
 だれかがあなたを待っている

 わかっているの

 わかっているわ だけど・・・・
 叶うなら このままずっと
 このまま あなたとこうしていたい・・・・


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みーこさんより短編を頂きました。


     ガミラス星へ連れてこられる途中に難破した艦から古代守を救助したのは
     あくまでもその慈愛の心からだったのでしょう。

     が、よもやその男性を愛してしまうことになろうとは。

     いずれ滅び行く星であっても捨てることの出来ない最後女王としての立場と
     一人の、それも異星の男性を愛した一人の女性としての気持ち、

     そんな揺れ動く心の葛藤を綴ってくださいました。

               みーこさん、有難うございました♪


                                 
(2010・5・10 公開)

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