<その12>
      「御霊 安らかに」

出島を出た私たちは徒歩少々で再び「長崎新地中華街」へとやってきまして
(ええ、ほんとに近い距離にあるの♪)その前をこれまた少々行くと
「銅座通り(どうざどおり)」という道がありまして
夕刻午後7時過ぎ、すでに御霊を送るべく「精霊船(しょうろうぶね)」が
たくさん列を作っていて、その船を曳くハッピ姿のおにーさんたちが
(多分故人の親類縁者さんとかご友人だそうで)
景気よく爆竹を次から次へと鳴らしております。


この爆竹の音、いやほんま、ハンパやおまへん!


   爆竹弾けまくるその中に入って立っちゃうおにーさんたち。
          ・・・熱いだろうが???


    真ん中のおにーさんの後ろで弾けまくっている爆竹、
    20箱分は十分にあるで!その爆竹の山に点火ー!
    音も弾け方も迫力もものすごいったら!!


間近で聴いてると耳が潰れるわい!とキれそうになります。
それほどの大きな爆竹音ですが、この大きな音が
御霊を送る音楽な訳で大きければ大きいほどいいみたい。

でもでも!あまりにも音が大きすぎてほんとに耳がヤバい!!

なのでとっさにバッグに入ってたポケットティッシュを一枚取り出しちぎって
それを丸めて「お手軽耳栓」作ったぞ!!

うん♪これがなかなか効果あり!(笑)

他にも鐘やドラをジャンジャン鳴らしながら舟の列は続きます。


この「精霊流し」、いわゆる灯篭などにろうそくの灯をともして
亡き人の魂を乗せて川や海に流す「精霊流し(しょうりょうながし)」とは
別のもので、ここ長崎では「精霊流し(しょうろうながし)」と
発音しまして、御霊を乗せるのは「舟」なんです。

ほら、フォークデュオ・グレープのさだまさしさんが歌ってらした「精霊流し」でも
〜♪あなたの舟のあとを ついてゆきましょう、とあるでしょ。
ええ、灯篭ではないんです。

↑の写真のおにーさんたちの後ろにある提灯いっぱいの台、
実はその「舟」なの。

海辺まではおにーさんたちや、ご親族の方々に曳かれて
道路を移動していきます。


またこの精霊流しで送る亡き人というのは「初盆」を迎える御霊でして
この日までに親類や友人たちが「舟」を手作りし、送るんですな。

その舟も個性豊かで大小さまざま!









精霊流しも元々は心静かに亡き人を偲びつつその舟を海に流していた
そうですが、近年の環境問題うんぬんで海に流さず、海の手前で
回収されちゃうらしいです・・・・。(寂)


大量の爆竹や花火、鳴り物で精霊流しをするようになったのは
50年ほど前からだそうで、賑やかであるほどいいんだとか。
この後数時間この舟の行列が続きます。



そして・・・辺りがすっかり暗くなるまで精霊流しを見ていた私たちは
またまた中華街でお決まりのちゃんぽんやら皿うどんで
晩ご飯をしましてすでに夜になった時刻に
路面電車でホテルへと向かいました。

電車内は精霊流しを見たと思われる方々でいっぱい!

朝夕のラッシュ時みたいな感じで電車が進み、
「大波止(おおはと)」付近に来た時
乗ってらしたお客様の一人が「伊藤さんの舟!」と
叫んでみんな一斉に窓の外を見た!!


・・・この4月、銃弾に倒れた前長崎市長・伊藤さんの舟が
ちょうど大波止のそばを通りかかった時でした。

車内から舟に向かって手を合わせる方もおられて
胸が詰まった瞬間でもありました。

          合掌。

※車内の混雑がすごくて携帯を取り出して
 写真を撮ることが出来ませんでした☆


そうしてホテルへ戻った私たち、「もう明日が最終日ねぇ〜☆」な〜んて
思いつつシャワーのあとは就寝タイム♪

おやすみなさ〜〜〜〜い♪




        精霊流しの項 おしまい♪


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